『きことわ』 朝吹真理子

金曜日、Jane Eyreを読み終え、前日に本屋で見つけて購入してあった芥川賞受賞作『きことわ』を読みました。
141ページ、分量としてはそんなに多くないのだけど読み終わるのに4時間ぐらいかかりました。
やっぱり読むのが遅いんだなぁ。

きことわ
新潮社
朝吹 真理子

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芥川賞発表時のインタビューを見て、26歳の若さで老成した言葉の使い方をするこの女の子は一体何者なんだろうとすごく興味を持ったのがそもそもこの本を読んでみたいと思ったきっかけ。
もう一つは、その講評で言われたこと。「卓越した「時間」というものの使い方」と言われたかどうかは忘れたが、そんなふうな意味合いだったと思う。「とき」が絡む話がかなり好きだから。

Amazonの書評はそれぞれだけど、私は好きでした。
ストーリーはあるようでない。でも、それは問題じゃないのかもしれない。
25年の年を経て再会した貴子(きこ)と永遠子(とわこ)の25年前の記憶を「現在」と行ったり来たりしながら永遠子の記憶を中心に綴っていく。
人によって、同じ体験をしてもその記憶は全く同じではなくて非常にあいまいなもの。ところどころは同じなのだが、ところどころ違っている。どちらが本当なのかはわからない。
そのことの不思議に思いをはせる。

冒頭、永遠子が見る夢、25年前の貴子と一緒の1シーンから物語りが始まるのだが、ここで、ぐいっと物語に引き込まれていく。この導入はすごくうまいと思うし、夢の中で狸寝入りをしている自分を見ているというくだり、作者の感性を感じる。
綴られる言葉にとても懐かしさを感じるのは私だけだろうか。
例えば、「からがる」なんて言葉、すごく懐かしい感じがする。

そんな言葉の使い方、そして現実と夢の狭間を行ったり来たりするその「とき」の使い方が私には印象的かつ魅力的だった。

いやー、でも、26歳でこういうものが書けるってやっぱり才能なのかな。
40歳で一人娘を持つ永遠子の内面をどのように描いたのだろうと思う。

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